こんにちは。山口県長門市にある歯医者「田中歯科医院」です。
矯正治療には、すべての歯が乳歯から永久歯に生え変わった後に行う成人矯正と、それ以前の成長期のお子さまに対して行う小児矯正があります。小児矯正を行える期間は限定されているので、開始するタイミングや治療期間が気になるという方も多いのではないでしょうか。
今回は、小児矯正を開始するタイミングや治療期間、小児矯正のメリット、計画通りに治療を終わらせるための方法について解説します。
小児矯正を開始する時期
小児矯正を開始するタイミングは、基本的には6歳~7歳、小学生1年生頃とされています。歯の生え変わりの時期には個人差がありますが、上下の前歯8本が永久歯に生え変わっており、6歳臼歯(第一大臼歯)が生えている状態が適切なタイミングと言われています。
なぜこの時期に小児矯正を始めるのかというと、前歯8本が永久歯に生え変わり、6歳臼歯が生えた後は、他の永久歯が生えてくるまでにしばらく間があります。他の歯が永久歯に生え変わるのは、9~11歳頃の子どもが多いです。
そのため、この時期に歯型を取って装置を作った場合、すぐに装置が合わなくなることは避けられます。
また、この時点で既に前歯が永久歯になっており、今後生えてくる他の永久歯のおおよその大きさも予測可能です。治療計画を立てやすく、お子さま自身も矯正の必要性などを理解できるようになるので、スムーズに治療を進めやすいでしょう。
しかし、お子さまの歯並びによってはもっと幼い時期から小児矯正を開始するケースもあります。顎周りの骨格的な問題があることが多い、受け口の場合が挙げられます。放置すると、上下の歯が正しく噛み合っていない状態になったり、顎関節症になったりする可能性があります。
お子さまの顎の正しい成長を促すために、受け口の場合は顎の骨が柔らかい3歳~4歳頃、少なくとも5歳頃から小児矯正を開始すべきとされています。
いずれにしても、保護者の方が小児矯正を開始するタイミングを判断するのは難しいでしょう。幼い頃からお子さまの歯並びについて歯科医師に相談しておくのが理想です。
特に、幼いお子さまはお口の中を触られることに恐怖心を抱きやすいので、定期検診を受けて診察に慣れるように促しましょう。
小児矯正の治療期間
小児矯正には第1期と第2期、2種類の治療期間があります。
1期治療
第1期は早ければ3歳から、一般的には6歳~12歳の乳歯から永久歯に生え変わる時期に行う治療のことです。この時期に治療を行う場合は、成長を利用して顎の骨を広げることが可能です。
生え変わりが終わっている場合は第1期の治療はできません。治療期間の目安は、1年半~3年程度です。
2期治療
2期治療は、すべての歯が永久歯に生え変わってから行う治療で、基本的には成人矯正と同じです。1期治療が終わったあと、理想の歯並びにならなかった場合は2期治療に移行します。
この場合、1期治療を受けずに2期治療(成人矯正)のみを行ったケースと比較して、抜歯のリスクを軽減できたり、2期治療を早期に終えられたりするメリットがあります。同じ歯科医院で受ける場合、費用が割引されることも多いです。
2期治療を開始するタイミングは、第2大臼歯が生え始める12歳~14歳頃、小学校高学年から中学生頃とされています。治療期間は症例によりますが、おおよそ1年~3年が目安です。
子どものうちに歯並びを矯正するメリット
小さい子どもの時から小児矯正を開始すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。「矯正装置を嫌がらないかな」「生活に支障が出ないだろうか」と不安に感じる保護者の方もいるでしょう。
装置をつけないほうがお子さまには負担がかかりませんが、長期的に考えると小児矯正をするメリットは大きいといえます。
永久歯が並ぶスペースを作れる
小児矯正(1期治療))では、お子さまの成長を利用して顎の骨を広げる治療が可能です。治療を行わないでそのままにした場合、永久歯が並ぶスペースが足りず歯並びが乱れるケースでも、スペースを広げれば永きれいに並べられます。
また、上下の顎のバランスが悪い場合も、整えられることがあります。噛み合わせの改善にもつながるでしょう。
口呼吸や発音を改善できる
小児矯正で歯並びの乱れやお口周りの悪い癖、舌の位置などを改善すれば、口呼吸や発音も改善できます。口呼吸をしているお子さまは常に口がぽかんと開いているケースが多いので、口から悪い細菌やウィルスが侵入しやすく、病気になりやすいといえます。
発音が悪いと学校生活やコミュニケーションをとる時に支障をきたすこともあるでしょう。小児矯正で改善されれば、自信を持って過ごせるようになります。
抜歯するリスクを減らせる
成人してから矯正治療を開始する場合、矯正装置で歯を動かすだけでは歯がきれいに並ばないがあります。歯を削って調整する方法もありますが、スペースが足りない場合は抜歯することがあります。
小児矯正では顎を広げて歯を並べるスペースが作れるので、抜歯を避けられる可能性が高まります。
2期治療の期間を短縮できる
1期治療を受けた場合でも、2期治療(成人矯正)を行うケースもあります。 2期治療だけ行う場合は、永久歯がすべて生えそろっており限られたスペースで歯を移動させることになるので、治療期間が長くなる傾向があります。
1期治療を行っている場合、スペースを作れている上にある程度歯並びも整っているので、2期治療の期間が短くなる可能性が高いです。
思春期に入る前に歯並びが整う
小さいうちは自分の歯並びを気にすることはあまりないでしょう。
しかし、思春期になると、容姿が気になるようになる子供が多いです。歯並びが悪いことはコンプレックスになる可能性があります。
思春期に入る前に歯並びが整えば、心理面への悪影響を減らせるでしょう。
虫歯予防になる
歯並びが乱れていると、歯が磨きにくいので磨き残しが増える可能性があります。矯正治療で歯並びが整えば、虫歯予防になるのです。
矯正装置に慣れるのが早い
歯に矯正装置を装着することになかなか慣れない方もいますが、一般的には大人よりも子どものほうが順応性が高いです。本人の負担を考えても、小児のうちに矯正を始めればストレスを軽減できるかもしれません。
計画どおりに矯正治療を終わらせる方法
さまざまなメリットのある小児矯正ですが、お子さまの負担を考えればできる限り早く終わらせたいと考える方が多いでしょう。特に、小学校から中学校へとライフステージが変わると忙しくなり、通院も大変になります。
できる限り治療計画どおりに矯正治療を終わらせるための方法を解説します。
経験豊富で相談しやすい歯科医院を選ぶ
治療をスムーズに進めるためには、歯科医院選びが大切です。患者さまの事情や要望を踏まえて、正確な治療計画を立案してくれる経験豊富な歯科医院を探しましょう。
定期的に通院するため、立地も大切です。気軽に相談しやすいかどうかも、カウンセリングの時に確認しておきましょう。
歯科医師の指示に従う
自己判断で矯正装置の装着をやめたり、通院を怠ったりすると、後戻りする可能性があります。治療期間が延長になることがないように、歯科医師の指示に従ってください。
保定装置も装着し続ける
歯並びが整った後、後戻りを防ぐために保定装置を装着します。保定装置は治療期間と同程度装着する必要がありますが、歯科医師の指示通り装着してください。
セルフケアや歯のクリーニングを怠らない
虫歯や歯周病になると、矯正治療を中断する可能性があります。矯正装置をつけると虫歯や歯周病のリスクは高まるので、セルフケアを徹底しましょう。歯科医院で歯のクリーニングを受けることも、虫歯・歯周病予防に効果的です。
まとめ
1期治療は、受けられる時期が限られています。成人矯正にはないさまざまなメリットがあるので、少なくとも6歳頃には一度歯科医院に相談してみるとよいでしょう。
歯科医院によって判断が異なることもあるので、いくつかの歯科医院のカウンセリングを受けると情報が集まって判断しやすくなります。
小児矯正を検討されている方は、山口県長門市にある歯医者「田中歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院では、一般歯科だけでなく成人・小児の矯正治療や審美歯科にも力を入れています。ぜひ一度ホームページをご覧ください。ご予約・お問い合わせもお待ちしております。