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歯周病のチェックをする女性

歯周病が引き起こす病気とは?口腔健康と全身のつながり

2024年2月15日

こんにちは。山口県長門市にある歯医者「田中歯科医院」です。

歯周病は、口腔内だけにとどまらず、全身の健康にも深刻な影響を与えることが近年の研究で次々と明らかになっています。歯周病が原因で起こる病気は、脳梗塞、心臓病、糖尿病、低体重児出産・早産、認知症など、非常に多くあります。

口腔の健康が全身の健康に密接に関連していることを理解し、適切なケアで歯周病を予防することが大切です。

この記事では、歯周病が引き起こす病気について詳しく解説します。

歯周病とは?

歯周病の人

歯周病は、細菌感染によって起こる炎症性の疾患です。歯周病が進行すると、歯を取り囲む歯茎(歯肉)や、歯を支える骨が溶かされます。

歯と歯肉の境界の清掃不足が原因で細菌が蓄積し、歯肉が赤くなったり腫れたりしますが、基本的に痛みは伴いません。症状が進行すると、膿が排出されて歯が動揺し始めます。最終的には、抜歯が必要となることもあります。

歯周病の症状

歯周病の初期段階では自覚症状が伴わないため、見過ごされることが非常に多いです。以下に、歯周病の主な症状をご紹介します。

・口臭が発生する
・口の中がネバネバする
・歯磨きの際に歯茎が出血する
・歯肉が赤く腫れている
・歯が長く見える
・食べ物が挟まりやすい
・歯がグラグラする

歯周病は虫歯と違って、痛みを感じることがほとんどありません。そのため、歯磨きの際に歯茎の状態を確認し、早期発見に努めることが非常に重要です。

歯周病の原因

私たちの口の中には、約400~700種類の細菌が存在すると言われています。これらの細菌は通常、害を及ぼすことは少ないのですが、適切なブラッシングが行われなかったり、砂糖を過剰に摂取したりすると状況は一変します。

細菌がネバネバした物質を生成し始め、これが歯の表面に強く固着します。この物質を歯垢(プラーク)と呼びますが、粘着性が高いためうがいをするだけでは除去できません。

歯周病を引き起こす細菌は、歯垢の中に多く存在しています。これらの細菌が歯肉に炎症を引き起こし、最終的には歯を支える骨を溶かしてしまうのです。

放置された歯垢は硬化し、歯石へと変化します。歯石はブラッシングだけでは除去できず、歯の表面に強固に付着します。

歯石の中や周囲に潜む細菌は、歯周病をさらに進行させる毒素を放出し続けるため、定期的な歯科検診と適切な口腔ケアが非常に重要なのです。

歯周病と全身の健康の関係

歯が痛くて頬押さえる女性

歯周病が全身の健康に及ぼす影響は、多くの研究によって明らかにされています。細菌が血流に入って全身に運ばれることで、さまざまな影響を及ぼすのです。

歯は体の内外をつなぐ唯一の器官で、その境界である歯肉は、炎症によって簡単に細菌が侵入する場所となります。歯肉と歯の間に形成される歯周ポケットは、常に細菌が存在する場所です。ここから細菌が血流に乗って全身に運ばれ、各臓器に定着するとさまざまな全身疾患を引き起こすのです。

健康な人では免疫機能がこれらの細菌を排除しますが、既存の疾患がある人や高齢者は免疫力が低下しており、細菌を十分に排除できないことがあります。そのため、歯周病は全身の健康に深刻な影響を及ぼす可能性があるという認識が必要です。

歯周病が引き起こす病気

歯周病が原因で病気になった男性

ここでは、歯周病が引き起こす病気をご紹介します。

脳梗塞

歯周病は、脳梗塞のリスクを高めるとされています。脳梗塞は、脳の血管がプラークによって詰まる、または頸動脈や心臓から血の塊やプラークが流れ込んで脳血管が詰まる病気です。

研究によると、歯周病のある人はそうでない人に比べて、脳梗塞になる可能性が2.8倍高いと言われています。特に血圧、コレステロール、中性脂肪が高い人にとって、歯周病の予防や治療は動脈疾患を予防する上で非常に重要です。

心臓病

狭心症や心筋梗塞は、動脈硬化により心筋への血液供給が不足する病気です。進行すると心筋が死んでしまう可能性があります。

動脈硬化は従来、不適切な食生活、運動不足、ストレスといった生活習慣が主な原因とされてきました。

しかし、近年では、歯周病菌をはじめとする細菌感染も、動脈硬化を促進する重要な因子として注目されています。歯周病菌の刺激によって動脈硬化を誘発する物質が分泌され、血管内にプラークが形成されると血液の流れが妨げられます。プラークが剥がれ落ちると血の塊ができ、これが血管を塞ぐことで狭心症や心筋梗塞を引き起こすことがあります。

糖尿病

歯周病と糖尿病は、互いに影響を及ぼし合う密接な関係があることが明らかになっています。

長らく、糖尿病の方は歯肉炎や歯周炎に罹患する確率が高いとされてきましたが、歯周病が糖尿病の症状を悪化させるという逆の関係も指摘されています。歯周病が全身の炎症反応を引き起こし、インスリンの効果を低下させることが原因です。

さらに、歯周病の治療が糖尿病の症状の改善につながることも分かっています。二つの病気は相互に深い関係があると言えます。

誤嚥性肺炎

誤嚥性肺炎は、食べ物や異物が誤って気管や肺に入ることで引き起こされる肺炎の一種です。

通常、咳反射によって肺や気管は異物の侵入を防いでいますが、高齢者はこの機能が衰えることが多いです。その結果、口内の細菌が食べ物と共に気管へと入り込み、肺に到達することがあります。

誤嚥性肺炎の原因となる細菌の中には、歯周病菌が多く含まれているとされています。歯周病の管理と予防は、誤嚥性肺炎を防ぐ上で極めて重要です。

関節炎・糸球体腎炎

関節炎や糸球体腎炎は、ウィルスや細菌による感染が原因で発症することがあります。特に、これらの病気の発生に関与する黄色ブドウ球菌や連鎖球菌は、口腔内、特に歯周病を患っている人の口の中に多いです。

歯周病から生じる細菌や、歯周炎によって生成される炎症物質が血液に入り込むことで、体の他の部分に影響を及ぼし、関節炎や糸球体腎炎を引き起こす可能性があるのです。

メタボリックシンドローム

歯周病とメタボリックシンドロームとの関連については、詳細なメカニズムはまだ完全には解明されていません。

しかし、歯周病がメタボリックシンドロームの発症に影響を及ぼすことが指摘されています。

歯周病の病巣から放出される物質は、血糖値を上昇させることが分かっています。また、重度の歯周病では、動脈硬化や心筋梗塞のリスクを高めるとも考えられています。

歯周病による慢性炎症が加齢を促進するという研究結果も出ています。歯周病の予防と治療が、メタボリックシンドロームのリスク低減にも影響を与える可能性があるのです。

骨粗鬆症

閉経後の女性において、骨粗鬆症と歯周病は密接に関連しています。エストロゲンの欠乏が主要な原因とされています。

エストロゲンの減少は全身の骨密度を低下させるだけでなく、歯を支える歯槽骨の弱化も招きます。歯周ポケット内での炎症物質の生成を促し、歯周炎の進行を加速させると考えられているのです。

そのため、閉経後の女性は歯周病に罹患しやすく、また病気が進行しやすい状態にあります。さらに、骨粗鬆症治療に用いられる薬の服用者は、抜歯時に周囲の骨が壊死するリスクがあります。

低体重児出産・早産

近年の研究では、歯周病が妊婦の低体重児出産や早産に大きく関与していることが明らかになっています。

妊娠中の女性が歯周病に罹患していると、そのリスクは7倍にも増加するとされています。歯周病細菌が血流を通じて胎盤に到達し、胎児に悪影響を及ぼす可能性があるためです。

歯周病は、適切な治療と予防措置により管理可能な疾患です。定期的な歯科検診や、良好な口腔衛生習慣の維持は、健康な赤ちゃんを迎えるために非常に重要です。

認知症

歯周病が認知症と関連していることが、近年の研究で明らかになってきました。歯周病によって引き起こされる動脈硬化は脳の血流を悪化させ、脳血管性認知症の一因となる可能性があります。

また、歯周病がアルツハイマー型認知症とも関連しているとされています。歯周病菌や菌が出す毒素が脳内に影響を及ぼし、認知機能の低下を促進すると言われているのです。

口腔衛生の維持は、認知症予防にも重要であることが分かります。

歯周病の予防法

歯磨きする人

歯周病の主な予防法は、口腔内を清潔に保つことです。ここでは、自宅でできる効果的なブラッシング方法と、歯科医院で行われるクリーニングの内容についてご紹介します。

正しい方法で歯磨きを行う

歯周病予防のためには、日常の口腔ケアが非常に重要です。特に、食後の丁寧な歯磨きはプラーク(歯垢)を効果的に取り除く上で欠かせません。

歯ブラシを用いる際は、歯面に毛先を直角にあて、力を入れ過ぎずに優しく全体を磨くことが大切です。また、電動歯ブラシや音波歯ブラシを使用すると効率よく汚れを落とせるでしょう。

歯の表面だけでなく、歯と歯茎の間や、歯と歯の間も丁寧に清掃してください。歯間ブラシやデンタルフロスを用いて、力を入れすぎずに丁寧に汚れを取り除くことが重要です。

定期的に歯科検診を受ける

歯周病の予防においては、定期的に専門家による口腔メンテナンスを受けることが非常に重要です。具体的には、3~6か月に一度の頻度で受診するとよいでしょう。

歯科検診のおおまかな流れは、以下の通りです。

1. 歯茎の炎症の有無を確認
2. プラーク(歯垢)の付着状況をチェック
3.歯周ポケットの深さを測定
4.プラークや歯石を除去

まとめ

歯のチェック

歯周病は、口腔内の細菌が原因で起こる疾患です。全身の健康にも深刻な影響を及ぼすことが明らかになっています。

脳梗塞や心臓病、糖尿病、誤嚥性肺炎、関節炎・腎炎、メタボリックシンドローム、骨粗鬆症、低体重児出産・早産、認知症など、歯周病が引き起こす可能性のある全身疾患は多岐にわたります。

歯周病の予防法としては、歯間ブラシやデンタルフロスを使用した正しい歯磨きの実践、定期的な歯科検診やクリーニングの受診が挙げられます。歯周病のリスクを減少させることは、全身の健康維持にもつながります。特に、糖尿病を患っている方や、免疫力が低下している方は歯周病予防に力を入れましょう。

歯周病の予防・治療を検討されている方は、山口県長門市にある歯医者「田中歯科医院」にお気軽にご相談ください。

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