こんにちは。山口県長門市にある歯医者「田中歯科医院」です。
歯を並べるスペースが足りなければ、きれいな歯並びは実現できません。歯を並べるスペースが足りない場合、一般的な歯列矯正では抜歯をしてスペースを確保することがあります。
しかし、インビザライン Goで歯列矯正をする場合は、抜歯をしないと聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。抜歯をせずに歯並びを整えられるのか、気になる方も多いでしょう。
今回は、インビザライン Goで抜歯をしないのは本当なのか、どのように歯並びを整えるのかを詳しく解説します。歯を並べるスペースを確保する方法も併せてご紹介するので、インビザライン Goを検討している方や、歯列矯正に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
インビザライン Goでは抜歯をしないって本当?
インビザライン Goでは抜歯をしない、というのは本当です。インビザライン Goは、マウスピース型の矯正装置を使用して、短期間・低価格で歯並びを整える矯正方法です。
すべての歯を動かすのではなく、奥歯を除く計20本を対象とした矯正治療で、抜歯をせずに歯並びをきれいに整えます。奥歯は動かさないため、前歯の重なりやすきっ歯が気になる方に向いています。
ただし、インビザライン Goでの歯列矯正は、すべての歯並びを治療できるわけではありません。歯を並べるスペースを確保するために抜歯が必要になる症例は適応外となります。歯の重なりが大きい場合も適応外となるでしょう。
歯の重なりが小さい場合は、歯を少し削る・歯列を広げるなどして歯を並べるスペースを確保します。すきっ歯のように歯と歯の間にすき間がある症例は、歯を並べるスペースは十分にあることが多いです。スペースが十分にある場合は、歯を削る・歯列を広げるなどの処置は必要ありません。
インビザライン Goではどのように歯を動かす?
インビザライン Goでは、透明なマウスピース型の矯正装置を使用して、歯を動かします。
治療を開始する際に、治療で使用するすべてのマウスピースが作成されます。マウスピースはそれぞれ少しずつ異なる形状をしており、ずれが歯に矯正力をかけることで歯が移動するのです。
マウスピースを1~2週間ごとに新しいものに交換することで、歯に持続的に小さな力をかけます。歯にかかる力が弱いので、矯正治療中の痛みを感じにくいことが特徴です。
マウスピース1枚で動かせる歯の距離は、0.25mm程度です。歯を動かすためには、歯科医師の指示に従って1日20~22時間マウスピースを装着しなければなりません。食事と歯磨きのとき以外は、基本的にマウスピースを装着して過ごします。
装着時間が短いと、歯が計画どおりに動きません。治療期間が予定よりも延びる可能性があるので、装着時間は必ず守りましょう。
マウスピースの交換は、治療計画に沿って患者さまご自身が行います。交換時期を守らなかった場合も、計画どおりに歯が動かず、治療期間が延びる可能性があるでしょう。
インビザライン Goは、装着時間や交換時期など、自己管理が非常に重要な治療といえます。
インビザライン Goのアタッチメントの役割
インビザライン Goでは、歯の表面にアタッチメントとよばれるプラスチックの突起物を装着することがあります。
アタッチメントは白く小さいため、目立つことはありません。アタッチメントを装着することによって、マウスピースと歯がしっかりと密着します。マウスピースによる矯正力が歯に効率的に伝わるので、歯列矯正がスムーズに進むのです。
マウスピースだけでは移動が難しい方向に歯を動かすために、アタッチメントを使用します。アタッチメントを装着する歯は、歯並びの状態に応じて選択されます。アタッチメントを装着していても、ふだんどおりに歯磨きや食事をして問題ありません。
インビザライン Goで歯を並べるスペースを確保する方法
インビザライン Goでは、IPR(Inter Proximal Reduction)や側方拡大を行って歯を並べるスペースを確保します。
それぞれの処置について解説します。
IPR
IPRとはディスキングともよばれ、歯の表面のエナメル質を少し削って、歯を動かすスペースを確保する処置のことです。
健康な歯を削りますが、削るのは0.1~0.25mm程度とごく少量です。歯を削ることによって虫歯・知覚過敏になる心配はないでしょう。
削る際の痛みもなく、麻酔は必要ありません。削る歯の本数や、削る量は、歯並びによって異なります。
インビザライン Goでは、治療開始前に削る歯の本数や、削る量、治療後の歯並びをシミュレーションします。削る必要がない歯を削られることや、余分に削られることはありません。
側方拡大
側方拡大とは、歯列を外側に広げることです。歯と歯の間にすき間が生まれるので、歯を並べるためのスペースを確保できます。
ただし、顎の成長が完了している大人の場合は、数mm程度しか広げられないことが多いです。身体や顎の骨の成長途中にあるこどもの場合、10mm以上拡大できることがあります。
側方拡大でスペースを確保できるかどうかは、顎の骨や歯並びの状態を確認して判断します。
抜歯が必要な歯並びの場合はどうしたらいい?
歯を並べるスペースが大きく足りず抜歯が必要な場合は、インビザライン Goを適応することができません。
しかし、抜歯が必要な歯並びかどうかご自身で判断するのは難しいでしょう。IPRや側方拡大でスペースを確保できるかどうか、歯科医師に確認してもらう必要があります。
インビザライン Goは、治療開始前に歯の動きをシミュレーションし、治療のゴールをイメージできます。一度インビザライン Goが適応になるかどうか、歯科医院で相談しましょう。
抜歯が必要な歯並びはインビザライン Goでは治療できないため、ほかの矯正方法を検討します。
無理に抜歯を避けてインビザライン Goで治療すると、IPRで歯を削る量が多くなるかもしれません。歯が歯槽骨からはみ出すほど側方拡大を行わないといけない可能性もあります。
無理に抜歯を避けるのではなく、抜歯を伴う治療に対応できる矯正方法を検討してください。
部分矯正のインビザライン Goは、抜歯が必要な歯並びを治療できません。
しかし、全体矯正のインビザラインでは抜歯が必要な歯並びも治療できることがあります。歯科医師としっかりと相談し、ご自身に合う治療方法を選択してください。
まとめ
インビザライン Goは、透明なマウスピース型の矯正装置を使用して、抜歯をせずに歯並びを整える治療方法です。
マウスピースを1~2週間ごとに交換して理想の歯並びを目指します。歯を動かすためには、歯科医師の指示に従って1日20~22時間マウスピースを装着する必要があります。
歯を並べるためのスペースが十分にある場合は、特別な処置は行わずに矯正治療を進めます。歯を並べるスペースが足りない場合は、歯を少し削る・側方拡大することで、歯を並べるスペースを確保します。
インビザライン Goは、すべての歯並びを治療できる方法ではありません。歯の重なりが大きい場合や抜歯が必要な場合は、適応外となります。
抜歯が必要な歯並びかどうかをご自身で判断するのは難しいため、歯科医師に相談しましょう。無理に抜歯を避けると、歯を削る量が増える、歯が歯槽骨からはみ出すなどのリスクがあります。
歯科医師と相談して、ご自身に合う治療方法を選択して歯並びを整えましょう。
インビザライン Goを検討されている方は、山口県長門市にある歯医者「田中歯科医院」にお気軽にご相談ください。