こんにちは。山口県長門市にある歯医者「田中歯科医院」です。
フッ素が虫歯予防に効果的かどうか、知りたい方はいらっしゃいませんか。実は、フッ素塗布は虫歯予防に非常に効果的です。
今回は「フッ素が虫歯予防に効果的かどうか」について解説します。「歯科医院でのフッ素塗布の流れ」や「ご自宅でも取り入れられるフッ素塗布」についてもご紹介しますので、今回の内容を参考にしてフッ素塗布を行い、虫歯予防に役立ててください。
フッ素が虫歯予防に効果的って本当?
フッ素は虫歯予防に効果的に働きます。フッ素が虫歯予防に効果的に働く主な2つの理由は、以下のとおりです。
・歯の再石灰化の促進
・歯質の強化
以下、それぞれ解説します。
歯の再石灰化の促進
フッ素は、虫歯によって歯が溶けてしまうのを予防する再石灰化を促進します。例として、コーラやスポーツドリンクのような酸性度の高い飲み物を飲むと、歯の表面にあるミネラル分が溶け出してしまうため、虫歯になりやすい状態となります。
しかし、再石灰化が行われることで歯が溶けてしまうのを予防することができ、虫歯予防の効果を発揮できるのです。
歯質の強化
フッ素は歯質の強化が可能のため、虫歯菌への抵抗力が強くなり、虫歯予防にもつながります。歯の成分はハイドロキシアパタイトとよばれる結晶を作っていますが、酸に弱い特徴があります。
ハイドロキシアパタイトにフッ素が加わると、酸に対して安定した結晶を作ることが可能です。最終的にエナメル質が強くなり、虫歯になりにくくなるのです。
歯科医院でのフッ素塗布の流れ
歯科医院でのフッ素塗布の流れを把握しておくと、スムーズにフッ素塗布を行うことにつながります。フッ素塗布の主な方法は、以下の3つです。
・トレー法
・綿球法
・歯ブラシゲル法
以下、それぞれのフッ素塗布の流れを解説します。
トレー法
トレー法とは、一人ひとりの歯列に合わせて、トレーにゲル状の薬剤をのせて噛むことによって歯にフッ素を塗布する方法です。具体的なトレー法のフッ素塗布の流れは、以下のとおりです。
1.歯のクリーニング
2.トレーの選択
3.トレーに薬剤を投入
4.歯面乾燥
5.トレーの装着
6.トレーの除去
7.お口の中の清掃
まず、歯のクリーニングを行い、歯垢や歯石を取り除き、可能な範囲で清掃を行います。
次に、口腔に合ったトレーを選択し、薬剤を入れていきます。フッ素塗布の効果を高めるために、歯を乾燥させてから、トレーを装着することが必要です。
最後に、トレーの除去とお口の中の清掃を行い、トレー法のフッ素塗布は完了します。
綿球法
綿球法は、フッ素塗布の方法の中で最も一般的な塗布方法です。綿球または綿棒に、フッ素の薬剤を浸して歯面に塗布を行います。具体的な綿球法の流れは、以下のとおりです。
1.歯のクリーニング
2.簡易防湿
3.歯面乾燥
4.薬剤の塗布
5.防湿の除去
歯のクリーニング後にロール綿で対象歯を孤立させるために簡易防湿を行います。
次に、エアーの吹きかけや綿球でふき取るなどして歯面乾燥を実施します。
薬剤の塗布では、3~4分間歯面が湿潤状態を保つように繰り返し塗布を行うことで、高いフッ素効果が期待できるでしょう。
最後に、口腔内に残った余剰の液を綿球で軽くぬぐえばフッ素塗布は完了です。
歯ブラシゲル法
歯ブラシゲル法は、文字どおり、歯ブラシを用いて歯面にゲル状タイプの薬剤を塗布するフッ素塗布方法です。主に低年齢児を対象にしているという特徴があります。具体的な歯ブラシゲル法の流れは、以下のとおりです。
1.歯のクリーニング
2.簡易防湿
3.歯面乾燥
4.薬剤の塗布
5.余剰ゲルのふき取り
6.防湿の除去
歯ブラシゲル法は、可能な範囲で歯のクリーニングを行い、ロール綿で対象歯を孤立させることが必要です。その後、エアー吹きかけや綿球でふき取りを実施し、歯面乾燥を行います。
次に、歯ブラシに少量ずつ薬剤を塗布して歯面全体に塗り広げていきます。
塗布して1分間経過後、余剰ゲルのふき取りと防湿の除去を行えば治療完了です。
歯科医院でのフッ素塗布を受ける頻度
歯科医院でフッ素塗布を受ける頻度については、3〜4か月に一度のペースがよいとされています。実際にフッ素塗布が持続するのはおよそ3〜4か月のため、継続的にフッ素効果が持続させるには3〜4か月に一度フッ素塗布を受けるのがよいといえるでしょう。その際、定期検診も一緒に行うことで、虫歯予防や歯のトラブル予防などが可能です。
また、生えたばかりの乳歯や永久歯は虫歯になりやすいため、定期的にフッ素塗布を受けるのがよいでしょう。
ご自宅でも取り入れられるフッ素塗布
ご自宅でも取り入れられるフッ素塗布の方法は、以下の4つです。
・フッ素配合の歯磨き粉
・フッ素ジェル
・フッ素洗口液
・トレー法3DS
以下、それぞれ解説します。
フッ素配合の歯磨き粉
フッ素配合の歯磨き粉は、ドラッグストアや薬局、歯科医院で購入することができ、気軽にご自宅でもフッ素塗布が可能です。
市販で販売されている歯磨き粉にはフッ素が配合されていますが、フッ素濃度が高い歯磨き粉を選ぶのがよいでしょう。具体的には、1,450ppmが日本で販売できる最もフッ素濃度の高い歯磨き粉です。海外ではもっと高いフッ素濃度の歯磨き粉が販売されていますが、高濃度のフッ素が原因でトラブルが起きてしまうリスクもあるため、ご注意ください。
フッ素ジェル
フッ素ジェルは、フッ素配合の歯磨き粉が使用できないこどもに向いているフッ素塗布方法です。
フッ素ジェルは、歯磨き後や食後、就寝の直前に使用し、フッ素ジェル塗布後はうがいをせずに唾と一緒に吐き出す程度にとどめましょう。こどもでも使用しやすいように、いろいろな味があるため、ストレスなく使用できるでしょう。
フッ素洗口液
フッ素洗口液は、歯磨き後にフッ素の洗口液でうがいするだけでフッ素塗布ができるため、フッ素ジェルなどが面倒な方に向いているフッ素塗布方法といえるでしょう。
刺激が苦手な場合は、ノンアルコールタイプのフッ素洗口液を選びましょう。就寝前に使用することで、より効果的にフッ素塗布が可能です。
トレー法3DS
トレー法3DSは、ご自宅できる最新のフッ素塗布方法です。
歯科医院で専用のマウスピースを作製し、マウスピース内にフッ素ジェルを入れて歯に浸透させます。ほかのフッ素塗布と異なり、唾液によってフッ素成分が流されてしまうのを予防でき、より効果的な虫歯対策につながります。
しかし、フッ素ジェルを塗布した状態のマウスピースを30分以上装着することが必要となるため、あらかじめご注意ください。
フッ素塗布の費用
フッ素塗布の費用は歯科医院によって異なりますが、2,000円程度が相場です。虫歯予防のフッ素塗布は保険適用は一切認められておらず、自費治療です。
しかし、虫歯治療をかねている場合や初期虫歯に対する塗布の場合などは、保険適用の対象となるケースもあるため、事前に確認しておきましょう。
また、虫歯予防の効果を高める方法として「シーラント」が挙げられます。シーラントとは、虫歯になりやすい奥歯の溝を歯科用プラスチックで埋めることです。シーラントを行えば、さらなる虫歯予防強化につながるでしょう。
まとめ
今回は、フッ素が虫歯予防に効果的かどうかについて知りたい方に向けて、歯科医院でのフッ素塗布の流れやご自宅でも取り入れられるフッ素塗布について解説しました。
フッ素が虫歯予防に効果的に働く主な2つの理由は「歯の再石灰化の促進」と「歯質の強化」です。また、歯科医院でのフッ素塗布の流れを把握しておくと、スムーズにフッ素塗布を行うことが可能です。ぜひ、今回の内容を参考にフッ素塗布で虫歯予防を行いましょう。
虫歯予防のためのフット塗布を検討されている方は、山口県長門市にある歯医者「田中歯科医院」にお気軽にご相談ください。