インビザライン Goとは？費用やメリット、治療の流れを詳しく解説！

こんにちは。山口県長門市にある歯医者「田中歯科医院」です。

インビザライン Goとは、主に前歯の部分矯正に用いられる治療法です。インビザラインは、歯列全体を矯正するため治療期間が長く、費用も高くなりますが、インビザライン Goは、部分矯正のため治療期間も費用もおさえることができるのが特徴です。

今回は、インビザライン Goの費用やメリット、治療の流れを詳しく解説します。

インビザライン Goとは

インビザライン Goとは、特定の歯、特に前歯の部分的な矯正に焦点をあてた治療法です。また、インビザライン Goでは、矯正治療のシミュレーションをアプリで行えます。

ただし、アプリはインビザラインの講習を受けて認定された歯科医師のみが使用できるため、全ての歯科医院で利用できるわけではありません。

インビザライン Goは、軽度の出っ歯や歯の傾き、すきっ歯などの症状に対して特に効果的です。全ての歯の移動を対象とするインビザラインとは異なり、インビザライン Goでは奥歯の移動は対象外です。

インビザライン Goは、歯の移動量が少ない症例に対して最適で、治療期間は比較的短い傾向にあります。また、治療にかかる費用は約30〜50万円とされており、負担を少なくするために、クリニックによっては分割払いやデンタルローンといった支払い方法を提供しています。

インビザライン Goとインビザラインの違い

インビザライン Goとインビザラインの違いは、移動させる対象の歯です。また、インビザライン Goは移動量が少ないことから、治療期間が短く、費用が安い傾向にあります。

動かす歯

インビザラインとインビザライン Goの大きな違いは、移動させる対象の歯の範囲です。

インビザラインは全ての歯、特に大臼歯も含む全範囲の矯正を対象とします。大臼歯は歯列全体の並びを決定し、前歯の配置にも影響を与えます。そのため、大臼歯の位置が変動することは、歯並び全体や噛み合わせに影響を及ぼすことを意味するのです。インビザラインは、このような大規模で複雑な矯正も扱えるのが特徴です。

一方、インビザライン Goは特定の範囲、特に前歯の矯正に特化しています。インビザライン Goでは大臼歯を動かすことはありません。そのため、全体の噛み合わせなどを変えず、限定的な範囲の矯正治療を行います。部分的な矯正が目的の患者さまにとって、インビザライン Goはより効率的に矯正治療を行えるといえるでしょう。

適応症例

インビザラインは歯の移動が大きい、または部分的な矯正だけでは改善が難しいと考えられる患者さまに適用されます。つまり、重度の叢生（歯が重なり合っている状態）など、複雑な歯並びに対しては、インビザラインが適しています。これは、インビザラインが全ての歯の移動を対象とし、より広範な治療を行うことが可能だからです。

一方、インビザライン Goは比較的軽度の症例に最適で、特に前歯の矯正を対象としています。奥歯や噛み合わせに問題がない方、すなわち、歯列全体に対する大規模な変更を必要としない方に適しています。出っ歯、軽度の歯の傾き、すきっ歯などの特定の問題を修正するのに特化しているといえるでしょう。

治療期間

インビザラインは全体的な歯列の修正を行うため、治療期間は患者さまの症例にもよりますが、通常は1〜3年ほどが一般的です。

一方、インビザライン Goは軽度から中程度の症例に特化しており、特に前歯の矯正を目的としています。治療が必要な歯の移動量が一般的に少ないため、治療期間も短縮されます。早いケースでは約半年程度で治療が終わることもあるでしょう。最長でも、通常は2年以内に治療が完了します。

使用するアライナーの数

通常のインビザラインの場合、治療対象となる症例が広範で重度のケースも含むため、使用するアライナーの枚数に制限はありません。そのため、患者さまが理想とする矯正結果を達成するまで、必要なだけアライナーを使用して治療を続けることが可能です。

一方、インビザライン Goでは、前歯などの部分的な矯正に特化しており、使用するアライナーの枚数に制限が設けられています。

しかし、インビザライン Goの対象となる歯の数は全体の半分以下であり、治療対象が限定的なため、制限内でも十分な治療効果が期待できます。

費用

通常のインビザラインは、比較的難しい症例や大きな歯の移動が必要なケースも対象としています。そのため、治療にはより多くの時間と費用が必要です。費用については、具体的な金額は個々の症例やクリニックにより異なりますが、平均して約60〜100万円前後です。

一方、インビザライン Goは必要なアライナーの枚数や治療期間が少なくなるため、治療費用も大幅におさえられます。一般的には、通常のインビザラインの費用の半額程度の約30〜50万円で治療が可能とされています。

インビザライン Goのメリット・デメリット

インビザライン Goのメリットは、治療期間が短くなり、費用も安くなることです。

しかし、症例によって出っ歯のリスクや、十分な効果が得られない可能性があります。以下、インビザライン Goのメリットやデメリットを解説します。

インビザライン Goのメリット

インビザライン Goのメリットは、以下のとおりです。

治療期間が短い

インビザライン Goは早くて約半年ほど、長くても2年ほどで治療が完了します。アライナーの枚数でいえば20枚程度で治療が完了します。

通常のインビザラインでは約1〜3年程度の治療期間を要するため、インビザライン Goを用いた矯正治療がいかに時間効率がよいかお分かりいただけるでしょう。

治療費用が安い

通常のインビザラインの治療と比較して、インビザライン Goの治療費用は約半額で済みます。

インビザライン Goは部分的な矯正、特に前歯の矯正に特化した治療であるため、全体的な歯並びや噛み合わせの改善が必要な場合よりも治療期間や必要なアライナーの数が少なくなるからです。

痛みが少ない

インビザライン Goは、治療に伴う痛みや不快感が比較的少ないです。インビザライン Goでは、主に前歯のみを対象とした治療を行うため、全体的な歯の動きが少なく、痛みや不快感も軽減されます。

もともと、インビザラインの特徴として痛みが少ないという点があげられますが、インビザライン Goは前歯のみの治療に特化しているため、痛みの軽減度合いはさらに高まります。これは、治療を受ける方がストレスを感じずに矯正治療を受けられるという大きなメリットといえるでしょう。

治療への不安をやわらげ、快適に日常生活を送りながら美しい歯並びを手に入れることが可能となります。

インビザライン Goのデメリット

インビザライン Goのデメリットは、以下のとおりです。

出っ歯になるリスクがある

前歯の凸凹は並ぶ場所が足りなかったために生じることがほとんどです。もし、前歯に十分なスペースがなければ、歯並びを治す際に前歯が前方に移動する可能性があります。結果的に、治療後に出っ歯になってしまうことがあります。

出っ歯のリスクがある場合、インビザライン Goのような部分的な矯正ではなく、全顎を対象としたインビザラインによる治療が適切といえるでしょう。適切な治療法を選択するには、治療を開始する前に歯科医師による十分な診断が必要です。

前歯のすき間を改善できない可能性がある

上顎のすきっ歯を改善したい場合、下顎の前歯の状態が重要視されます。もし、下顎の前歯間にもすき間がある場合は、上下の前歯間のすき間を同時に埋めることが可能です。

しかし、下顎前歯間にすき間がなく、下顎前歯が上顎前歯の裏側としっかり噛み合わせている状態では、上顎のすきっ歯をインビザライン Goで閉じることはできません。この場合、全顎を対象としたインビザラインでの治療が必要となります。

インビザライン Goの治療の流れ

インビザライン Goの治療の流れは、基本的に通常のインビザラインと変わりません。インビザライン Goの治療の流れは、以下のとおりです。

カウンセリング

インビザライン Goの治療は、まずカウンセリングから始まります。

多くの場合、歯科医院の公式サイトから予約できます。カウンセリングの時点で、患者さまの気になることや治療に対する不安などを相談することが可能です。カウンセリングの形式はクリニックにより異なり、オンラインで行う場合や直接クリニックで行う場合があります。

診察・検査

カウンセリングのあとは精密検査が行われ、レントゲン撮影や、顔・お口の中の写真撮影を行い、口腔内の状態を把握します。精密検査のあとは、治療の期間や費用などについて詳細な説明を受けます。

治療に必要な時間や費用についての理解を深めることができ、患者さまがご自身の治療プランを確認し、治療契約を結ぶことになるでしょう。

シミュレーション

インビザライン Goの治療過程には、精密なシミュレーションが含まれています。光学スキャナーを使用して、患者さまの歯の詳細なデータを取得します。

データは、次にどのように歯が移動するかのシミュレーションを行うための基盤です。シミュレーションは、最先端の3D技術を使用して行われます。これにより、患者さまはご自身の歯が矯正治療を通じてどのように整っていくのか、事前に視覚的に確認することが可能です。

マウスピース製作

シミュレーションをもとに、治療に使用するマウスピース、すなわちアライナーの製作が行われます。

シミュレーションのデータは、アメリカにあるアライン・テクノロジー社に送られます。アライン・テクノロジー社はインビザラインシリーズを開発・製造している企業で、データをもとに、患者さまに合わせたカスタムメイドのアライナーを製作しているのです。

治療開始

アライナーがアメリカから届いたら、インビザライン Goの治療が本格的に始まります。

しかし、マウスピース矯正には正しい使用方法やケアの仕方など、基本的なルールがあります。具体的には、正しいつけ方や外し方、1日の装着時間、お手入れ方法などです。治療するうえで、ルールをしっかり守ることは、期待どおりの結果を得るために不可欠といえるでしょう。

経過観察

インビザライン Goの治療は、患者さまご自身がアライナーを装着・管理することで歯を動かす治療法です。

しかし、治療開始後、6〜8週間ごとに歯科医院で経過を確認する必要があります。経過観察は、治療の効果を適切に把握し、必要に応じて治療計画を調整するために重要です。

具体的には、歯がシミュレーションどおりに動いているかをチェックし、口腔内の健康状態も確認します。歯肉炎や虫歯といったトラブルがないか、アライナーの装着による不具合が起きていないかなども確認します。

定期的な検診により、治療が予定どおり進行しているか確認し、患者さまの口腔内の健康を保ちながら治療を継続するのが一般的です。

保定期間

矯正治療が完了したあとは、効果を維持するための保定期間が設けられます。保定期間は、治療で得た良好な歯並びを維持し、もとの状態に戻らないようにする重要なステップです。

保定期間は通常、矯正治療にかかった期間とほぼ同等とされ、保定期間中は「リテーナー」とよばれる保定装置を使用します。保定期間中も定期的な歯科診療は必要で、口腔内の健康状態を確認し、リテーナーのフィット感や問題点を確認します。

インビザライン Goの費用はどれくらい？

インビザライン Goの治療費用は、通常約30〜50万円といわれています。

しかし、歯列矯正は自由診療のため、各クリニックは自由に料金を設定することが可能です。結果的に、同じ治療内容でもクリニックによって料金に差が出ることがあるでしょう。なぜなら、医療機関ごとに使用する機材や施設の設備、専門家の経験やスキルが異なるためです。

したがって、具体的な治療費用については、各クリニックに直接問い合わせて確認することが必要です。また、治療計画や進行具合によっても費用が変わることがあるため、念頭に置いておくとよいでしょう。

まとめ

インビザライン Goの治療費用は、約30〜50万円で、通常のインビザラインの半額ほどです。インビザラインは歯列全体の矯正を行うのに対し、インビザライン Goは部分的に行うからです。そのため、使用するアライナーの数も減り、治療期間も短くなることから、費用がおさえられます。

部分矯正といっても、インビザライン Goは、奥歯は対象外です。前歯の一部分だけ矯正したい方は、インビザライン Goを検討されてはいかがでしょうか。

ただし、症例によってはインビザラインのほうが適切なケースもあるため、歯科医師とよく相談することが大切です。

インビザライン Goを検討されている方は、山口県長門市にある歯医者「田中歯科医院」にお気軽にご相談ください。